神崎ホフマン窯修復活用事業 『数少ない貴重な文化財に対して』
 西暦2003年、競売により落札した広大な土地の一部に、神崎煉瓦ホフマン式輪窯がありました。日本全国に同型の赤れんが窯はなく、世界中でも2〜3基あるらしいと聞きました。国内の赤れんが窯は、既に登録文化財、産業遺産として認定されています。
 舞鶴市では、近年赤れんが倉庫が国の重要文化財の指定を受け、全国でも東京駅等赤れんがを使用した多くの建造物が、それぞれ貴重な文化資源として取り上げられてきました。
 神崎煉瓦ホフマン式輪窯の大部分は崩壊し、現在はただ一基、哀れな姿で取り残されていたのです。
 この様な現況は誠に残念至極であり、何とか良い方向に進めたいと考慮して参りました。丁度それに相重なって、当財団法人が財団法の改正による公益財団法人として認可され、その公益財団法人舞鶴文化教育財団に於いて、神崎煉瓦ホフマン式輪窯の修復と今後の運営を受け持つ事にしました。
 神崎煉瓦ホフマン式輪窯は西暦1897年に煉瓦造りのため建築され、1915年頃に現在のホフマン式輪窯に改修されたものであります。
 「ホフマン」窯はドイツ人の設計者「フリードリヒ・ホフマン」の名を取り入れたものであり、ホフマン氏は、西暦1900年に没するまで、生涯において学会のみでなく産業界に至るまで、いろいろな分野に多大な業績を残し、全世界にわたって業績を上げ産業革命に貢献されました。現在ドイツ、ミンテンブルグにある産業博物館内にその業績の数々が展示されています。
 以上のような数々の経過をたどって来た数少ない貴重な文化遺産を、何時迄も後世に長く現実の歴史に生き続けて行く事を考えたのです。
 現在は、窯の修復工事調査を実施致しており、費用の半額は国の補助金を受け、今後、完全修復に向かっての活動を行って参りたいと思います。
 この神崎煉瓦ホフマン式輪窯が世界の近代化に大きく貢献した貴重な文化資産として将来長く保存し、国民の多くの人々に伝えていきたいと思っております。

 

 

 



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